司法書士鎌田幸子のブログ

28歳のときに独立開業した女性司法書士の日々をつづっています。東京都品川区西五反田より気の向くままに、仕事のこと、お気に入りのもの、おいしいものなど書いていきます。

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トラブル回避の相続方法

先日、横浜日独協会さんで、「トラブル回避の相続方法」というテーマで講師をしました。
http://jdgy.sub.jp/events/201407reikai.html

セミナーでは後半部分を担当し、「相続トラブルにおいて遺言書ひとつあれば防げたのに」という司法書士の立場からの事案をご紹介し、遺言書を作成するうえでの注意点をお話ししました。
つたない講義ではありましたが、参加された方のお役に少しでも立てたなら嬉しいです。

さて、それに関連して、今回は、私が相続の業務を行っていく中で注意していることをお話しいたします。
ちょっとしたこと、当たり前のことなのかもしれませんが、するかしないかで、いかに近しい者同士といっても大きく違うのです。

司法書士は、相続による不動産の名義変更に携わる関係で、相続は身近な職業です。
おおむね、司法書士のところに直接いらっしゃるお客様は、既に遺産分割の話し合いはできていて、遺産も主に自宅だけといった平和な場合が多いです。
争うことが分かっていれば始めから弁護士さんに依頼するでしょうし、相続税がかかる場合はまず税理士さんに相談するからです。

でも、1割くらいの確率で、大変なこともあります。
相続人間の関係が複雑であったり、連絡が取れない人がいたり、遺産分割協議書になかなかハンコを押してくれない人がいたり。
もともと相続人間で仲が悪いわけではなくても、ちょっとしたボタンのかけ違いから、相続をきっかけに相続人・親族間で絶縁状態やそれに近い感じになってしまうこともあるのです。
本当にちょっとした誤解やすれ違いからなんです。

司法書士は相続人の訴訟代理人ではありませんので、相続人と交渉するということはできませんが、橋渡しのようなことはよく行います。
ご自身で他の相続人とやり取りするのはご面倒という場合は、遺産分割協議書を送付したり、必要な書類の用意をお願いしたりといったことを代行します。
実は、この遺産分割協議書への署名捺印を依頼する場面は、とても気を遣います。
相続人同士で円満に話し合いができていれば普通に書類送付書を付けて送ればいいだけで、そんなに問題になることはありません。

問題になるのは、大体次のようなケースです。
まったく話もしていないのにいきなり遺産分割協議書を送りつける形になってしまう場合。
自分が相続することに他の相続人も同意していると思っているけどちゃんと話をしていない場合。

ある日、いきなり、司法書士から書類にハンコを押すようにとだけ書いてある文書が来たら、どう思うでしょうか。
普通は、いい気持ちはしないですよね。
逆の立場の方から「いきなり全然知らない司法書士からこういう文書が来たんだけど、どういうことなんだろう??自分としてはハンコを押す気はないけど、押さないとどうなるの?」という相談を受けたこともあります。
私ももちろん書き方には注意しますが、やはりお客様の方から事前に他の相続人に話を通しておくことは大前提だと思っています。
「面倒くさいから他人任せ」にしてしまうと、こじれなくて済んだことも取り返しのつかないことになってしまいます。

ただ、電話番号すら分からなくて連絡を取れない、またはどうしても取りたくない事情がある、ということもあります。
そういった場合は、直筆の手紙を付けていただくことにしています。
お客様からしたらご面倒かもしれませんが、やっぱり手書きの文章は違うと思います。
ご自身の立場だったら、手書きで「お願いします」という内容のお手紙をいただいたら、その意に反してまで親族に対して争おうとはなかなか思わないのではないでしょうか。

また、余計なお世話かもしれませんが、他の相続人には多少なりとも手間をおかけしているのだからお礼はしてくださいね、ということもお客様にはお伝えするようにしています。
何もお金とか物でなくてもいいので、お礼の言葉は伝えた方がその後の関係も円満になると思うのです。
中には、ハンコさえもらえれば、その後は一切何の連絡もなしという方もいらっしゃるようですが、禍根を残すことにもなります。

関係が近い者同士だからこそ、感謝と気遣いは、他人よりも気を付けるべきだと個人的には思っています。
当たり前のことを抜かしてしまうと、近しい人だからこそより深くこじれてしまうからです。

ちゃんとお話しして筋は通すということ。
話せなければ、手紙を書くなり、自分の言葉で思いを伝えること。
当たり前のことかもしれませんが、この二点は大事なのです。
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プロフィール

kouko

Author:kouko
昭和54年6月生まれ。愛媛県松山市出身。
松山東高校卒業後、慶応義塾大学法学部政治学科卒業。
平成18年に司法書士試験合格、平成19年7月25日独立開業。
資格を取って開業したいと思って、司法書士を目指し、最初から最後までお客様と関わりたいと思って、独立をしました。
何より嬉しいのは、お客様の不安を少しでも取り除いて、最後にありがとうと言われたとき。
日々落ち込んだり、悩んだりもしますが、司法書士の仕事を楽しくやっています。

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